生き物は、それぞれ暑さから身をまもる術を身につけている。
動くことができない木々は、その場で自然に身をまかせるしかない。
木々は、地中の水分をどんどん吸い上げて葉から蒸発させて暑さをしのぐ。
それは葉が活発に働くことにもなる。
水不足で地中から充分な水分を取ることができないと、葉が黄ばんで落葉したり、果実が大きく成長できなかったりして大変なことになる。
果物作りには、リンゴ以外は暖かいほうが望ましい。
しかし、熟す頃の高温は、熟度がどんどん進んでしまい、早く収穫しないとすぐに品質が悪くなってしまう。
雨よけハウスのなかのサクランボは、高温のためにゆでたようになってしまう。
プラムは、熟れたものから収穫するのだが、つぎつぎと熟して収穫が追い付かず、人間のほうがダウン。
砂漠うまれで高温を好むブドウは、暑いととてもよいものができる。
ラ・フランスは、9月が高温になると、葉が活発に活動するため実がどんどん大きくなり、ジャンボサイズになる。
リンゴだけは高温に弱い。果実は大きくなるのだが、実のしまりが悪くなりやすい。
味がのってきて、ボケる直前に収穫する。そのタイミングが大切になってくる。
果物作りは特に自然に左右されやすく、適正な管理が求められる。
気の抜けない毎日である。