山形のさくらんぼ狩り くだもの狩りは、大将錦開発農園の山形チェリーランド・上山観光フルーツ園へ!

第6回 サギと鉱山

家のまわりの庭に大小五つの池がある。

どの池にも金魚やメダカを飼っているが、金魚の姿が見えない。

 

アオサギに食われてしまったのだ。

残った金魚も岩かげに隠れたままでてこない。話には聞いたが、自分の池の魚がアオサギにやられるとは思ってもみなかった。

 

春先、池の水がぬくみ、魚が動きだすころ。

夜明けをまって、羽音もたてずに池に舞いおりる。

目立ちやすい金魚を朝食とばかりに捕食する。

 

犬や人間が起きて追い払うが後のまつりだ。

サギやカモなどが住むようになったのは近年のことで、目新しいのである。

果樹園でくらすアオサギの画像

近くに宮川という川が流れている。

かつて、上流に銅の鉱山があり、鉱毒水で川やたんぼの土までが赤く染まり、生物は住むことができなかった。コメつくりも苦労してきた。

 

最盛期には百数十人の鉱夫たちが働いていたが、昭和30年代に閉山となった。

閉山後も廃坑からは、強い鉱毒水が宮川に流れ続けた。

その後ようやく鉱毒対策事業がはじまり、川もきれいな水が流れるようになって30年近くになる。

 

水草も生え、ウグイやハヤなどの魚も住みつくようになり、それをエサにする水鳥たちがすむようになった。

川辺の柳のこずえにシラサギが10羽もとまっていたり、アオサギが20羽ほどの群れで飛んでいることもある。

 

それにしてもサギは、姿かたちがとても優雅で、その姿につい見とれてしまう。

池の金魚が食べられたくらいでは憎めない鳥である。

 

池に網を張り、金魚たちをっている。

だが、すこしでも隙間があるとそこを狙って食べにくる。

今でも、網よりサギのほうが勝っているのだ。