春、りんごの花摘みをしていたら、なんと足元にカルガモがいるではないか⁉
人間に驚いたのか、カルガモは飛び去った。
だが、そこには卵が1個あった。
「また生むかもしれないからそっとしておこう・・」
次の日、見てみると、卵は2個になっていた。卵は毎日1個ずつ生んでいくようだ。
生んだ後、卵が外敵からみつからないように草などをかけておく。
全部の卵を生み終わったら抱卵にはいる。これは全部の卵を同時にヒナにかえすためだ。
カモは渡り鳥が多いが、カルガモは同じところで暮らす。
春先に縄張りを持ち、つがいで暮らすが、交尾が終わると、オスは他のメスを求めて立ち去る。子育てはすべてメスが行う。
約3週間の抱卵でヒナがかえり、その日のうちに水場に移動する。
ヒナは水草などのエサをはじめから自分でとるようだ。
小さいうちは自分で体温を保つことができないので、親鳥の羽のなかにもぐりこんで暖をとる。
外敵に襲われることも何度もある。
そのたびに親はクー、と小さく高い音をだす。
するとヒナたちは急いで草むらに隠れる。
親は傷ついて飛べないかのようなニセの損傷行動をとり、敵の目を自分にむけさせ、逃げまわってヒナをまもる。
親鳥は苦労の連続だが、大きくなれるのは2,3羽だけである。