どこからどう見ても蔵王連峰が長々と目の前に横たわっている。
山頂の熊野岳を中央に、南は南蔵王、北は瀧山まで、農園から一望できる。
お釜の見える刈田岳には車で50分で行くことができる。
四季様々な魅力があるが、冬のスキーと樹氷、夏の高山植物、エーデルワイス、ウスユキソウ、コマクサが特に有名だ。
駒草平という整備された散策路があるが、そこにはコマクサはあまりない。
誰もが通る登山道にも見られない。
刈田駐車場から熊野山頂へ北側のコースを登る。右側は深い谷でとても危険だが、そこには足の踏み場もないほどのコマクサ群生地が広がっている。
多くの人がお釜とよばれる火口湖を見に来る。
駐車場から歩いて5分、眼下におおきなお釜が見える。
その湖面は深い緑色ににごり、色調がさまざまに変化するので《五色湖》ともいわれる。
お釜は強酸性で生物はいっさい生息していない。
お釜の周囲は約1km、最大深度27m、平均深度17mだが、断崖の土砂で埋まり、年々浅くなっている。
表面は2℃で、深くなると逆に温度が高くなる。
冬でも凍らない。
お釜は霧がかかって見えない場合も多い。
ひんやり肌寒く、神秘的な雰囲気。下界とは明らかにことなる気に満ちている。
あちこちになぜか小石が積んである。
それでも至近距離からウグイスの鳴き声も聞こえてくる。
農園の封筒に、イラストとしてお釜の風景を使っている。
熊野山頂から晴れた日には、南は吾妻、飯豊山、西は朝日、月山、北は鳥海山、東は仙台平野と太平洋が見えることがある。
果樹園からみえる蔵王の山並み