山形県上山市にある果樹園、いわゆる里山とよばれる地域。
そこで観察できる自然や生き物をのせていきます。
「今日、鳥たちに起こる不幸は、明日、人間の身にふりかかるかもしれない。
そして今日、鳥たちに起こる幸福は、明日の人間を幸せにするかもしれない。
野鳥を見つめ、環境を知る。」 ~サントリー愛鳥活動HPより引用~
<鳥>を<生き物>という言葉に置き換えて、上のような気持ちで観察しています。
周辺の様子を幅広く、少しずつ、文章にしていきます。
さくらんぼ狩りにきたお客様から贈っていただいた絵が売店に飾ってあります。
人間の腕にのったカラスが大きく描かれ、小さくサクランボが添えてあります。
お子様が描いたものですが、よほどカラスが印象に残ったのでしょう。
今回はその腕にのったカラスのカー子のお話です。
春、電柱に作ったカラスの巣をとり除いてもらった。
巣には生後3週間くらいのカラスのヒナが2羽いたが、親が育児放棄した。
いちど人の手がはいると育児放棄するらしい。
ヒナの一羽が死んだが、残った一羽をスタッフが世話をはじめ、ついにみんなで世話を続けることになる。
羽をバタつかせ、ア~ア~と大きく開けた口の喉奥に、指でエサを流し込む。
この食事方法が大きくなってからも続く。
フンの始末がとにかく大変だった。
ある日、駐車場にいたカー子のところへ大勢のカラスがやってきた。
<なんで人間と一緒にいるんだ!俺たちと一緒に行こうぜ!!>
と誘っているように見えた。
カー子は他のカラスの誘いにはのらなかった。この時、カー子は身体は大きくなっていたが、まだ飛び方も知らなかったのだ。
これが一つの分岐点のように思えた。
以後、他のカラスからの誘いはなく、カー子は農園で成長する。
なかなか飛ぶことができなくて、飛ぶ訓練もはじめた。
やがて、成長するにつれ野生があらわれた。
とにかく突っつく。なんでもかんでもまずつついてみる。
人も突っつく。かなり痛いがアザにはならない。
そして、人に触られても平気だったのに、触られるのが大嫌いになった。
だが、呼べば飛んで来る。
離れた場所からス~ッと飛んできて、肩や腕にとまる様子は、とにかくステキでワクワク。最高にうれしくて楽しい瞬間。育てた苦労が報われる・・・
カラスは集団で暮らす。
カー子もどこかの群れに入れてもらえたようだ。そこでようやく、自分のクチバシでエサを取って自力で食べることを覚える。
それでも毎日、どこからか飛んできて、エサをもらって遊んで、どこかへ帰っていく。
胃と口に、一度で大量のエサをためることができる。
それをどこかへ隠してくる。
食後は水を飲み、必ずクチバシを拭く。
気は荒いが独りぼっちは嫌いなので一緒に遊んであげねばならない。
みんな忙しいので、カー子の子守りは園主の役目。
カー子は園主が大好きだ。
呼ばれると飛んできて肩にとまる。
今もヒナのときと同じように、ア~ア~とエサをねだる。
園主にだけ、けっしてつつかない。
園主だけが触れる。撫でてもらって安心して目を閉じておとなしくしている。
秋のある日、畑からカラスの気配が急に消え、カー子も姿を消した。
仲間と街で冬を過ごすのだろう・・と思っていたが3日目、再びあらわれ熱烈歓迎。
こうして次第に自立していった。
ここまでご覧になっていただきどうもありがとうございます。
気持ちばかりですがちょっぴり特典
合言葉どちらか一つ、受付時にスタッフにお知らせください。
合言葉は、深谷かほる先生の「夜廻り猫」から拝借しました。
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